『自分とか、ないから』を読みました。去年ちょっとメンタル的につらい時期があり、そのときに話題になってて気になっていました。ようやく読めた。
世界に境界は存在せず、すべてはつながっている。例えば、山と川も明確な境界はなく、たまたま水が流れやすいところが川になっているだけで、ここまでが山でここからが川という線引は明確ではない、という話は面白かったです。国境も人為的に線を引いているだけで、日本は島国だけど、海外とも実際には海の底で地続きになっているという話もあり、たしかに、と思いました。海は陸地の大きな水たまり、という旨の表現がされていました。
世界はすべてフィクションであるという主張も面白かったです。おじさんの写真に「総資産5000兆円」というキャプションをつけるとイケオジに見えるとか。同じおじさんでも、言葉の力でイメージが変わるというのは面白いです。恋人も「彼女」や「妻」とラベルづけすることで、違う印象で見えるというのも同様です。ネタバレですが、ファミチキを「鶏の死体」と表現している記述もありました。確かに、同じものでも言葉で印象がガラッと変わるのはフィクション的だと思いました。
同様に、家族もフィクション、会社もフィクション...という話がありました。「兄と弟、どちらが先に生まれるか?」という問いかけがあります。答えは「同時」です。普通に考えると兄が先に生まれるわけですが、関係としては「弟」ができたことで、はじめて「兄」になるでしょ、とのこと。たしかに。そういうのって言葉遊びだし、逆に言えば人間は言葉のせいで関係性を強制されます。
自分自身もフィクションです。自分にどういうラベルが付こうが、自分には関係ないと思うことが重要です。仮に、誰かに「だめ人間」の烙印を押されたとしても、それで自分が変わるわけではなく、それはその「誰か」のフィクションです。自分の管轄外です。そう思うことで、他人の評価に振り回されずに済むと思いました。